中古車はもともと新車より価格が安い点が魅力ですが、交渉しだいではさらに値引きしてもらえる可能性があります。
しかし、中古車を購入する方の中には「そもそも中古車は値引きできないもの」と思い込んでいる方や、「交渉の仕方がわからない」という方も多いようです。
確かに、中古車は新車と違って、購入者が何も言わなくても販売店が値引きを提示してくれることはあまりありません。
新車の場合、ある程度値引きしてもディーラーは利益を確保できますが、中古車販売店は純粋に車の売上を利益としているからです。
それでも、うまく交渉すればいくらか値引きしてもらえる可能性は十分にありますので、その方法やコツをくわしくご紹介していきます。
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目次
中古車の購入時にかかる費用は、大きく分けて以下の2つです。
いずれも、交渉しだいで値引きしてもらえる可能性があります。
まずは、それぞれの値引きの相場について知っておきましょう。
中古車の車両本体価格の値引きは、一般的に「100万円の中古車で10万円」が限度です。100万円未満の車なら、数万円程度の値引きとなります。
一方、新車の場合は「本体価格の10〜20%」が値引きの相場です。
新車ディーラーは、メーカーからマージンや販売報奨金が入るため、値引きしても十分に利益を確保できますし、むしろある程度の値引きは最初から想定内といえます。
しかし、中古車販売店にはそのようなしくみがありません。もともとの車両本体価格が高ければ高いほど、値引きされる金額は大きくなりますが、それでも新車と同じだけの値引きを期待するのは難しいということは心得ておきましょう。
また、中古車がどれだけ値引きされるかは「車の人気度」にも左右されます。当然ではありますが、わざわざ値引きしなくても売れる人気車種より、買い手の少ない不人気車種のほうが値引きしてもらえる可能性は高いです。
中古車の市場人気を調べるためには、買取相場をチェックするという方法があります。
「高く買い取られている車=人気車種」ですので、大幅な値引きは難しいと考えたほうがいいかもしれません。
ちなみに、市場での買取価格が高いのに中古車販売店でかなり安く売られている車は、すでに十分な値引きがされているか、もしくは修復歴がある可能性があります。
また、特に最近は「中古車の車両本体価格の値引きは難しくなっている」ことも覚えておきましょう。
今はインターネットを使って、複数の中古車販売店の価格を比較できるようになっているため、最初からギリギリまで利益を削って低価格を提示する店が増えています。
つまり、値引きの限界もおのずと厳しくなっているのです。
とはいえ、交渉しだいではいくらかでも値引きしてもらえる可能性はありますので、あきらめずチャレンジしてみてください。
中古車購入にかかる諸経費は、大きく分けて「法定費用」と「販売店の手数料」の2種類あります。
法定費用とは、自動車税・自動車重量税・自動車取得税などの税金や、自賠責保険料、リサイクル料などです。
これらは法律で決められているお金ですので、カットすることはできません。
値引きしてもらえる可能性があるのは、販売店の手数料のほうです。たとえば、車の名義変更や車庫証明などの手続きを販売店にお願いすると、代行手数料をとられますが、自分で行なえば支払わずに済みます。
販売店にもよりますが、名義変更の代行手数料(登録代行手数料)は20,000円〜50,000円程度、車庫証明の代行手数料は15,000円程度が相場です。これらをカットするだけでも、かなりの節約になります。
ただし、最近は車両本体価格をギリギリまで下げて、手数料で儲けを出すお店が増えているため、販売店によっては自分で名義変更や車庫証明の手続きをすることを断られる場合もあります。事前に確認しておきましょう。
ほかにも、中古車を自宅まで運んでもらうための「納車手数料」や、「クリーニング(洗車)代」「整備代」など、販売店によってさまざまな手数料がかかることがあります。
少しでも安く済ませるためにも、見積もり書の内訳をよく見た上で、削れるものは削ってもらうことが大切です。
中古車の値引き交渉の方法を具体的にご紹介していきます。
中古車を購入する際には必ず見積もりをとって、支払い総額や金額の内訳を確認することが大切です。
中古車の見積もり書の中で、絶対に値引きされないのは法定費用(税金や自賠責保険料など)ですので、それ以外で「削れるところはないか」「もっと安くしてもらえる部分がないかどうか」をお店側に確認してみます。
車の値引き交渉は、新車であれ中古車であれ普通に行なわれるものですから、まずはストレートに尋ねてみてかまいません。
販売店も車を売らないと利益になりませんので、「では車両価格を〇万円値引きさせていただいて…」とか、「ご自分で車を引き取りに来ていただければ、納車手数料はいただきません」など、いろいろ提案してもらえます。
ただし、最初から限界ギリギリまで値引きしてくれる業者はまずいませんので、できるだけ安く購入するためにはもう一工夫が必要です。
車の値引き交渉をするのは普通のことではありますが、「とにかく、何がなんでも1円でも安くないとイヤ!」という根性丸出しで交渉に臨むのはおすすめできません。
特に最近は、最初からかなり利益を削った価格で販売するお店が増えていますから、あまり図々しく値切るのも考えものです。
中古車を気持ちよく値引きしてもらうためには、「もう少し安くしてもらいたい理由」を明確にして交渉することをおすすめします。
たとえば「あと〇万円値引きしてもらえれば、無理なくローンを支払っていけると思う」「予算は〇万円だから、今の金額では少し厳しい」など、具体的な数字を出して相談するのが効果的です。
そのほうが、「何でもいいから安くしてよ」という態度をとるより、販売スタッフも親身になって値引きを検討してくれます。
そのためにも、「いくらまでなら出せるのか」をあらかじめ決めておくことが大切です。そして実際の予算よりも、数万円低い金額を出して交渉しましょう。
できればキリのいい数字をねらい、5万の値引きを希望するなら最初は10万、10万の値引きを希望するなら最初は15万や20万というふうに持ちかけます。
そうすれば、たとえ断られても最終的には希望に近い価格を値引きしてもらえる可能性があります。
車に限らず、価格交渉の基本は「他店と競合させること」です。「向こうではもっと安かったんだけど…」と交渉することで、それより安い価格を引き出すことができます。
しかし中古車の場合、同じ車種でも年式や状態などが異なるため、実はこの方法は必ずしも得策とはいえません。
中古車は1台1台がいわばオリジナルであり、単純に他店の商品と比較できないのです。
そこで、中古車購入に限っては他店と価格で競合させるのではなく、「ほかも見て回るつもりだけれど、納得できる金額を提示してもらえれば今この場で即決する意思がある」ことを伝えたほうが、結果的に値引きしてもらいやすくなります。営業マンは、「当日即決」に弱いからです。
さらに、他店も候補に入れていることを匂わせることで、営業マンの本気に火がつきます。
その際、あまり無理のある金額を言っても交渉が決裂してしまいますので、基本的には「100万円の車で10万円の値引きが限度」というラインは守るようにしましょう。
上のほうでもご説明したように、中古車購入にかかるコストには販売店の手数料があります。
車両本体の割引が難しい場合でも、こちらは交渉しだいで安くなる可能性がありますので、少しでも節約したい方は以下のポイントを押さえておきましょう。
見積もり書を見ると、「代行手数料」が入っている場合が多いです。
これは、陸運支局での名義変更(移転登録)や、警察署での車庫証明などの手続きを販売店に代行してもらうための手数料になります。
確かにこれらの手続きは少々面倒ではありますが、自分でするだけで数万円の手数料が浮くことを考えると、できるだけ代行は断ったほうがいいでしょう。
ただし、販売店によっては代行が必須となっていることもあるため、購入前に確認が必要です。
販売店の手数料の中には、「下取車手続代行費用」というものもあります。これは、販売店に車の下取りを依頼した場合にかかる費用です。
具体的には、こちらも名義変更にかかる手数料で、下取りしてもらった車の名義を販売店に変えるために必要となります。料金は10,000円前後が相場です。
ただし、この費用がかかるのは基本的に「車の名義がローン会社やディーラーなど、本人以外になっている(所有権留保が付いている)ケース」です。
この場合、まず車の所有権を本人に移してから販売店に変更しなければいけないため、手続きが多く、手数料がかかるのは妥当といえます。
一方、すでに本人名義になっている車の場合は、手続きが簡単に済むため、下取車手続代行費用をカットしてもらえることがあります。ぜひ販売店に相談してみてください。
また、そもそも「販売店に下取りに出さない」という選択肢もあります。
その中古車販売店が買取にも力を入れていて、高く買い取ってくれるのであればいいのですが、そうでない場合は別の店で買い取ってもらったほうが高く売れる可能性があります。
また、最近の中古車買取店では名義変更にかかる手数料がすべて無料になっていることも多いです。
車は少しでも高く売ったほうが、そのぶん新しく購入する車の費用にあてることもできますので、安易に下取りに出す前によく検討することをおすすめします。
販売店の手数料の中に「納車手数料」があります。これは、購入した車を自宅まで運んでもらうためにかかる手数料です。
そのため、自分で車を引き取りに行くことでカットできる可能性があります。
ただし、実際は納車手数料の中に「整備やクリーニングにかかる費用」が含まれていることもあるため、販売店によってはカットするのが難しい場合もあるようです。こちらも購入前に確認してみてください。
いずれにしても、見積もり書をよく見た上で「削れるものと削れないもの」をしっかり確認することが大切です。
多少手間がかかっても、自分で行なうことで節約できる費用があるなら、ぜひ交渉してみましょう。
さらに中古車を値引きしてもらうためのコツを、いくつかご紹介したいと思います。
中古車を少しでもお得に購入したいなら、買う時期にも気をつけてみましょう。
中古車を購入するおすすめのタイミングの一つが、月末です。
中古車販売店では、月ごとに販売目標やノルマが設定されることが多いため、月末になると営業マンは目標の売上を達成するために苦心します。
つまり、「1台でも多く売りたい!」というあせりが出る時期ですので、値引きしてもらえる確率が上がるのです。
もちろん値引きにも限度はありますが、タイミングが合えばぜひ月末をねらってみてください。
年間で中古車がもっとも多く売れるのは、決算期である3月と9月です。この時期は、就職や異動などで車が必要になる人が増えるため、中古車業界は繁忙期となります。
ただし繁忙期には、特に値引きしなくても車が売れますから、ピークを過ぎたころがねらい目です。
たとえば4月半ば〜5月や、10月〜11月などは在庫が余る時期ですので、値下がりしやすくなります。
特定の車種にこだわりがあるなら、フルモデルチェンジの後がおすすめです。
車がフルモデルチェンジされると、それ以前のモデルは型落ちとなる上、新車に買い替える人が増えますので、中古車市場がだぶついて買取相場が大きく下がります。
フルモデルチェンジの時期を正確に知るのは難しいですが、もしタイミングが合えばねらってみてください。
中古車を値引きしてもらいやすいかどうかは、販売店にもよります。
基本的に、「インターネットで価格を公表しているお店」や「ライバル店がひしめき合っているエリアにあるお店」などは、あまり大きな値引きは期待できないことが多いです。
これらのお店は、集客のために最初からある程度ギリギリの価格を提示しているため、それ以上下げられない場合があります。
また、小さな販売店よりもある程度大きな販売店のほうが、値引きする余力があるところが多いですので、なるべく大手をねらうのも基本です。
中古車の価格は、市場価値によって決まります。
たとえば、あまり人気のないカラーやボディタイプは需要が少ないため、値引きしてもらえる可能性が高いです。
色でいうと、白・黒・シルバーなどは人気がありますので、それ以外のカラーを選ぶようにします。
ボディタイプでは、最近はファミリー向けのコンパクトカーが人気のため、セダンやスポーツタイプのほうが値下がりしやすい傾向がみられます。
また、人気の車種でも型落ちしている車など、「少し前までは人気があった」ものほど供給過多になっていることが多いため、ねらい目です。
がんばって交渉しても、結果的に思ったほど値引きしてもらえないことも当然あります。
そんな時は、値引きではなく「無料でサービスをプラスしてもらう」という交渉をするのも一つのテクニックです。
中古車の場合、新車と違って車にキズやへこみがある場合もありますので、それを無料で直してもらえるよう交渉するという方法があります。
「ここさえ直してもらえたら、すぐに即決するんだけど…」というふうに持ちかければ、営業マンもしぶしぶながら対応してくれる可能性があります。
車の値引きが難しい場合は、消耗品の交換や整備などを無料でしてもらえないか交渉してみましょう。
たとえばオイル交換や、タイヤ・ホイール・ナビ・ETCなどの交換、取り付けをお願いしてみます。
中古車屋さんでは、車の下取りや買取で手に入った中古のパーツを取りそろえていることが多いため、交渉しだいでは無料でつけてもらえることもあります。
場合によっては、単純に車体を値引きしてもらうよりお得になることもあるほどです。
ほかにも、保証サービスがついている場合は内容を充実させてもらったり、保証期間を延長してもらったりするなどの方法もあります。
図々しいお願いかもしれませんが、「これさえしてくれれば今買います!」という態度で交渉すれば、向こうも車を売りたいのが本音ですから、対応してもらえる可能性は十分にあるはずです。
値引き交渉がうまくいかなかった場合、その場で決めるのではなく、いったん保留にして持ち帰るのも一つのテクニックです。
その際、連絡先を伝えておけば、あとから「上の者に相談した結果、値引きさせてもらえることになりました!」という連絡が入ることもあります。
中古車販売店は、車を売ってなんぼの商売ですから、お店に来たお客さんにはできるだけ買ってもらいたいと思うのが普通です。
いったん引き下がれば、値引きに対応してもらえたり、「この条件ならいかがでしょうか?」と提案してくれたりすることは十分考えられます。
一種の駆け引きですので、必ずうまくいくとは限りませんが、納得のいかない価格で購入を決めるくらいなら試してみる価値はあるでしょう。
中古車は、安く手に入れば何でもいいというものではありません。
安全な中古車を気持ちよく手に入れられるよう、値引き交渉の際には以下のポイントに気をつけてみてください。
どんな取引も、最終的には人間対人間です。営業マンに親身に対応してもらうためにも、「自分は客なんだ!」という横柄な態度ではなく、礼儀をわきまえて謙虚に交渉にあたりましょう。
実際に中古車をうまく値引きしてもらえるかどうかは、営業マンによるといっても過言ではありません。
営業マンと敵対するのではなく、味方になってもらうことが肝心です。
購入後も、メンテナンスなどで何かと付き合いが続くことが多いため、なるべく好感をもたれるようにうまく交渉したいものです。
新車と違って、中古車はあまり大きく値引きしてもらうのも少し不安です。
特に、大した交渉もしていないのに簡単に大幅値引きしてくれる業者には注意したほうがいいかもしれません。
もしかしたら、見た目にはわからなくても大きな修復歴がある、コンディションに問題がある、いわくつきの車である、といった可能性も考えられます。
車は不動産と違い、過去に自殺などに使われていたとしても購入者に告知する義務がないため、不当に安すぎる車も考えものなのです。
もちろんすべてのケースがそうとは限りませんが、念のためそういう可能性があるということも覚えておきましょう。
中古車販売店は、ディーラー系と非ディーラー系に分かれます。
ディーラー系中古車販売店は、トヨタやホンダなどのディーラーが営業するお店で、非ディーラー系に比べて状態のいい車をそろえているのが大きな特徴です。
ディーラーで下取りした車や、試乗車として使われていた車を、しっかり点検・整備した上で販売しています。
さらに、アフターサービスが充実している点もメリットです。たとえばトヨタの「ロングラン保証」やホンダの「ホッと保証」では、最長3年間、走行距離無制限で、消耗品やオイル類を除いたほぼすべての部品を無料交換してもらえます。
このようなディーラー系中古車販売店は、それだけのコストがかかっているだけに、非ディーラー系に比べると値引き交渉の難易度は高めです。とはいえ、交渉の余地はあります。
数万円程度ならわりと簡単に値引いてもらえる可能性がありますし、モデルチェンジ後の型落ち車などは在庫がだぶつくこともありますので、ダメもとで交渉してみることをおすすめします。
中古車の値引き交渉のやり方や、成功のためのコツなどについてご紹介しました。
新車と同じだけの値引きを期待するのは難しいですが、うまく交渉できれば数万円〜高ければ10万円以上値引きしてもらえる可能性があります。一般的には、価格が高い車ほど値引き額も大きいです。
そのためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
また、値引きが難しい場合は、キズの修理やオプション追加などを無料でしてもらえないかどうかを相談してみましょう。
さらに、これまで乗っていた車を安易に下取りに出さず、なるべく高く買い取ってもらうことも大切です。
その分を車の購入費用にあてることができますので、古い車も慎重に取り扱うようにしてください。
中古車の値引きは販売価格の10%が限界といわれていますが、これはあくまで一般論です。販売店の形態や購入対象車両の人気度、販売価格によって上下します。値引き交渉する際は情報を統合して、少しでも値引き額を高める戦略が必要です。
どうしても欲しい中古車があった場合は値引き交渉を長引かせるのは得策ではありません。ある程度の値引きが実現したら早めに契約することをおすすめします。とくに人気車で購入希望者が他にいた場合、値引き交渉はマイナス効果となります。
しかし、少しでも状態の良い車種を値引いて安く購入したいのであれば、まずはディーラー系の中古車販売店で同じメーカーの中古車から攻めるのが定石です。ディーラー系は在庫をオートオークションで仕入れることもありますが、その多くは同じメーカーの下取り車です。中間マージンが発生しない分、利益幅が大きいので値引きの限度も高くなります。
また人気車よりも在庫として残りやすい不人気車を選ぶことも値引き限界を引き上げるコツのひとつです。年式や走行距離の狙い目は5年落ち5万km前後です。
この範囲は中古車のボリュームゾーンだけに購入する側としては選択肢が多く、販売店としてはこれ以上在庫として抱えていると売れ残る可能性があるので早く売りたい車種となります。値引きの限度額を引き上げても在庫リスクを回避できるので10%超も十分期待できます。
その他、諸費用やローンの金利も値引き対象となります。中古車の値引き限界は本体価格だけでなく、新車と同じように乗り出し価格(総支払額)で考えてください。少しずつ各部分から値引きを実現させれば乗り出し価格全体で10%超の限界価格を引き出すことができます。
軽自動車は車両本体価格が安めなので全体的に値引きは渋く、5%前後が限度額です。ただし、車種によっては値引きの限度額が高くなることもあります。とくに軽自動車の中でもっとも流通数が多いスーパーハイトワゴンは過剰在庫気味になっているので乗り出し価格(総支払額)の「5〜8%」まで値引きが期待できます。
スーパーハイトワゴンで高い値引き率を引き出せるのは先代スペーシアなど人気薄の型落ち車です。N-BOXは型落ち車の流通量が多くても人気車種であることから値引きはあまり期待できません。トールワゴンや2BOXタイプになると販売価格がさらに下がるので「3〜4%」が限界と思っていた方が無難です。
コンパクトカーの中古車は初めて免許証を取得した人のファーストカーとして選ばれることが多いため、中古車市場で人気があります。流通している車数は多いものの、全体的に販売価格が安いので値引きの限界は軽自動車とあまり変わりません。
とくに年式が新しい2BOXハッチバックのハイブリッドタイプやワゴンタイプは人気車種となっているので値引き限界は乗り出し価格の「3〜5%」が目安です。
比較的限度が高めなのは同じ2BOXハッチバックでもガソリンエンジンタイプの型落ちです。2BOXハッチバックを求めるユーザーがハイブリッドタイプに流れているので在庫になりやすいため、販売店側も積極的に値引きをしてきます。販売価格が100万円以上であれば8〜10%が期待できます。
ミニバンはコンパクトサイズからフルサイズまでありますが、値引き限度額が乗り出し価格の「10〜15%」まで上げられるのは走行距離6〜7万kmのフルサイズです。販売価格が比較的高く利益率も良い反面、人気が殺到してすぐに在庫がなくなるという車種ではないので、販売店側も積極的な値引きをしてくれます。
5ナンバーサイズのミニバン、とくにコンパクトサイズはファミリー層に強い人気があるため、中古車販売店もあまり値引きをせず「8〜10%」が限界目安です。ただし年式が新しいほど売れる傾向にあるので、10%を引き出すなら型落ちで走行距離6万km以上の車種が狙い目です。
国産セダンはほとんどがミドルサイズ以上となっていますが、中古車市場では一部のスポーティ仕様を除いて人気がないため、販売価格が安く中古車販売店の利益も薄いことから値引きの限度は乗り出し価格の「7〜10%」程度に留まっています。とくにクラウンは国産セダンの中では人気車種なので「5%前後」が限度額です。
中古車セダンで値引き限度額を期待するならドイツ車を始めとする輸入車が狙い目です。国内に輸入される外国車は右ハンドルのため、海外へ再販するには輸出国が限られてしまうことから、中古車販売店はできるだけ国内で需要を求めます。輸入車は中古車になると仕入れ価格が一気に下るので販売店も利益を出しやすい車種のひとつです。走行距離5万km以上であれば「10〜15%」まで限度額を引き上げることができます。
SUVはクロスオーバータイプに限り、ミニバンと傾向が似ています。300万円を超える比較的新しい車種は人気高ではあるものの、購入者が限られているので値引き交渉がしやすく、乗り出し価格の「10〜15%」が見込めます。
しかし、クロスオーバータイプで主流となっているコンパクトサイズは購入しやすい価格であることに加えて新車同様に中古車市場でも人気を集めていることから販売店は値引きに対して渋めで5〜8%程度が限度額となっています。
ヘビーデューティー仕様のSUVは値引きがほとんど期待できません。たとえ走行距離が伸びていても年式が古くても一定の購入層がいるので、わざわざ値引きする必要がないからです。これは軽自動車のジムニーも例外ではありません。値引き交渉する際は「3〜4%」が限度と考えて臨んだ方が無難です。
なお、ボディサイズ別の値引き限界はあくまで目安です。中古車は販売時期や新型の登場で価格が大きく変動し、伴って値引き限界も変わることを想定しておいてください。
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